午前0時 王宮内 玉座の間
・・・我々が姫君の拘束を命じた兵士は行方不明、Hoarfrost城北の街道筋で 我がブラビル兵一名の死体が発見されましたが 姫君の逃亡との関係は不明。
例のディードラは 消える気配も見せず、アレスウェルの村を壊滅させた後行方不明
・・・・・・・・・・・やれやれ 侯爵も取り逃がすし 次は一体どう挽回するおつもりですか
・・・・・・まずは 我々に忠実な者を中心に 軍の組織改編を行う。我々の城兵 及び我々に従う軍兵を 親衛隊として、近衛騎士団の代わりとする。
現、近衛騎士団は解散 我々に反抗的な部隊は、現在の階級に関係なく全て 2等兵士として最前線に立ってもらう。
コドウェルよ、今言ったことを書面にして発表せよ。
わ、解りました。
あとは・・・予定通り、新聞社に圧力をかける。 この度のディードラの出現が 我々の仕業だと勘ぐられる様な内容にならないよう検閲せよ。
それから 少しでも侯爵を擁護するような記事を書く記者は全て逮捕だ!!!
関白様、アンヴィルより 兵力支援の要請が来ておりますが・・・
アンヴィル? あの街がどうしたというのだ
おそらく スッチに 勇者・・・いえ、侯爵の
配下が集まっているのではないかと・・・・・
フン そんな事、解りきったことではないか。 こちらとて侵攻の準備はしておる。今 わざわざアンヴィルの為に戦力を割く余裕などありゃせんわ。
・・・・・・それにしても・・・くそっ!!
各地域の国境警備隊よりの連絡はどうなっておるか。
それが・・・・ やはり兵力はだせぬ。の一点張りです・・ 国境地帯は現有兵力でギリギリの維持であると・・・・・
くそっ どいつもこいつも、役に立たん奴らばかりだ それにしても・・・・あの巻物・・・・・・いったい何処から手に入れたのです? 竜を召喚する呪文など聞いたことがない・・・・それどころか あの悪魔・・・
・・・・・・・・・・・・・
姫様にとって 最も危険なのは暗殺だったの。表立っての攻勢なら なんとでも対処できるわ、でも 毒物やアサシンに24時間狙われ続けたら・・・防衛は難しい。
幸い、相手方が「可能な限り自分達が疑われない。又は正当性を主張できる」攻撃手段を探しているのは判っていたわ。
そして・・・ここ2ヶ月、終始劣勢に立たされて 追い詰められていた。
スッチへの 一連のちょっかいがその証拠ね。
私としては、彼らに自滅して欲しい。しかし、暗殺に手段を変えられるのは厄介。
だから、彼らが探し求めていた「必勝」手段を用意した。それが有れば 表から堂々と攻めてくる。その位の強力な武器が必要だったわ。
・・・・・それが、あの巻物・・・か・・・・彼らはアレを竜を呼ぶ呪文と信じてたけど
それは簡単、人は自分の希望するものを つい信じてしまうものよ。
呪文に関する噂を流し、商人は売り渋る。 巻物の隅に 竜の絵を落書きしておいたわ、あたしが。
・・・・・アンタ 策士、策に溺れる。って言葉知ってる? ・・・・まあいいわ この件は 姫様に報告するからね。
・・・覚悟の上よ・・・
RePlay 1週間前 ふーっ やれやれ どうしたものかな・・・
あら、伯爵様 姫様へのプレゼントでもお探しですか?
プレゼント? ハッハッハッ 気楽でいいな、メイドは。
プレゼントでしたら 港湾地区にあるグレール商会がお勧めですわ。大陸中の珍しい品物が集まっている、って話ですわよ。
グレール商会だと?あそこは あの侯爵の御用達だと言うではないか。ダメだダメだ!!
フフフ、あちらの姫が金を使うから 珍品が集まってくるのですわ。でも、所詮は商人。より高い値段を提示した相手に就くものですよ。
フン、金さえ出せば忠義も買えるか、下賎な商売だな。
・・・そういえば あの店、最近 竜を呼ぶ呪文の巻物を手に入れたって・・・・噂になってますわ・・
なっ・・・なんだと?それは本当か!! 噂ですよ、ただの噂・・・そんな呪文 有るわけ無いじゃないですか
・・・・・・ちょっと行ってくる・・・・
いらっしゃいませー
おや・・・・これはこれは、ようこそいらっしゃいました、カーロ伯爵様。
あ・・・・・ああ
今日はどのような物をお探しでしょうか?
竜を召喚する呪文だ!! は?
聞こえなかったのか? 竜を召喚する呪文の巻物が有ると聞いたぞ、それを私によこせ。
・・・・・裏の方へどうぞ、ミラちゃん、少しの間 店を頼むよ。
はーい
・・・さて 何処から聞き及んだか知りませんが、この店にはそんなものはありませんよ。
なんだと!!貴様 この私には売れない。と言うのか? この店に有るという話であったぞ!!! ・・・・やれやれ 確かに先日より保管している巻物が有ることはありますが 私は魔法は素人ですから それが竜を呼ぶ呪文であるかどうかなど判りません。
・・・ですから 勇者様にも売りませんでした
ナニ!! 侯爵も買いに来たというのか。とにかく見せてみよ!!! !! これは・・・・・・・
(古代語で 確かに読むことはできぬが、持つ手に伝わる強力な魔力・・・・・隅の方に描かれた竜の絵 まちがいあるまい)
よし 買うぞ。何本有るのだ いえいえ・・・・ですから これは売り物では御座いませんので・・・・・
やかましい!! 貴様 この私に逆らおうというのか!! 営業停止にすることもできるのだぞ
・・・・・・仕方がありませんね、在庫は4本 再入荷もありえません。 勇者殿は一本15万で買うとおっしゃいましたが
じゅ・・・・15万??
無理ならお引き取りください。
ええい この私を舐めるでない、1本25万だ!! 4本とも貰っていこう。
・・・・・即金でお願いします
判っておるわ。現金馬車を仕立てて来る故 明日までとっておけ!!!
毎度あり・・・・・・
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さて ミラちゃん、明日、伯爵に巻物を渡したら 私は店を閉めて仕入れ旅行に出かけるよ。 君はどうする? ついて来るかい それとも姫様のところに行くかね。
バックれるんだね! 当分帰ってこないと思っていいかなっ
まあ、そうだね。姫様が勝って 世の中が平和になったら戻ってくるよ。この巻物の売上は、スッチ港に寄って 軍資金としてエコー殿に渡していくつもりだ。
あー それなら あたしもスッチまで一緒に行くよ、船でしょ。
うむ、価値のあるものは 纏めて積んでいくから 積み込みを手伝っておくれ。
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